週末に、Hawkes Bayを流れるTaruarauという川に行ってきた。Taruarauは、NapierとTaihapeの間の山の中を流れている。隣のNgaruroro Riverは、カヌーのガイドブックに出てるけど、Taruarauは何の記載もない。言い出しっぺのアランが、Hawkes Bay周辺のパドラーに聞いた話ではClass3-4で、途中に一カ所3m程度の滝があるらしい。一日では漕ぎきれない距離なので、クリークボートにキャンプ道具を積んで行くことにした。
11時半に、国道に架かる橋の横からメンバーのアラン、ブライアンと川に入る。思ってたよりも水もあり、十分に岩も隠れている。NapierとTaihapeの間の国道は、未だに舗装されていない部分も残る、北島随一の田舎。川は深い山の中を流れていく。途中、ランチをしたりしながら、のんびり下っていく。殆どはクラス2、たまにクラス3の瀬が出てくる。数時間漕いだ感じでは、ホワイトウォーターをガンガンというより、景色を楽しむような川と思えた。気がかりなClass 4のセクションだか滝だかも、アランの聞いた話では駄目なら歩けるらしい。
3時過ぎに、突然、問題のClass 4のセクションが出現。まるで、別の川に来たみたい。200−300mの長い瀬で、最後のほうがどうなっているのか、よく見えない。見通せる範囲では、最後に川いっぱいの幅の落ち込みがあるようだ。そこが3mの滝なのか?どこを落ちたらいいんだ?最後の落ち込みまで行くのも、かなり手強そうだし、その後、左に川が曲がってるけど、続きはあるのかなぁ??
核心部を岸からはスカウティングできないし、カヤックで下りながら判断するにも手強すぎる。ポーテージするしかないと3人で決断。川から崖のような所を這い上がる。ただでさえ大変な登りに加え、ボートはキャンプ道具満載。崖を上がりきると、下の写真のような雄大なNZらしい丘に出た。
問題の瀬は、とても深いゴルジュの中を流れていて、そこだけを巻いて瀬の下から入ることも出来ない。丘を大きく巻いて予定していた最初の橋のキャンプ地まで歩くしかない。雨も降る、雹も降る、風が強くてボートを肩に担いで歩くと吹き飛ばされる。荷物満載のカヤックを、ライフジャケットのトウ・ラインに繋いで引っ張って歩く。登っても登っても、未だ先がある。今回は、かなり未知の川だったのでGPSと地図をもっていった。それが、本当に役にたった。丘の途中で、農道らしき道に出た時に、それを辿っていけば予定の橋まで行けることがGPSと地図から確認でき、かなりホッとした。結局、3時間半、歩いて、暗くなるころに目的の橋に到着。疲労困憊。ビールを一本だけ、ボートに入れていたのを飲んだ。まったく、こんな物をもってるから重くなるんだよなぁと思いながらも、かなり沁み入る一本だった。
写真は、橋の横の草地にキャンプを設営してるところ。テントは使わず、フライシートの下で寝た。
付近の枯れ木を集めて、たき火。
翌朝、地図を見て検討。この先に、もう一回深いゴルジュがありClass 4のセクションが待っているらしい。ブライアンの奥さんに、2時に車で迎えに来てもらうゴールまで20Km以上ある。もし、昨日のようなポーテージが必要になれば、絶対に2時には着けない。となると、遭難騒ぎになる危険もある。一方、キャンプした場所から農道を10Kmくらい歩けば国道に出られる。多分、そこでヒッチハイクできるだろう。ということで、パドリングを中止して歩くことにした。
運良く、40分くらい歩いたところで農家を発見。電話を借りて、ブライアンの奥さんに連絡をつけることができた。農家の人の話では、10年くらい前に、前日僕たちが漕ぐのを諦めた瀬でパドラーが死にかけてるらしい。ライフルをカヤックの中に積んでたということだから、多分、あんまり本気のパドラーでは無い気がするけど。
初めてクリークボートに入るだけの最小限の装備でのキャンプツアー、そして自己最長ポーテージ、GPSで場所の確認、NZの『大草原の小さな家』のような農家で頂いたコーヒー、等々、移住10年を記念するにふさわしいカヤックになってしまった。
おお、まさにアドベンチャー。
素晴らしいパドリング人生ですねぇ。
Posted by: kanji | October 28, 2008 at 09:00 AM
完治さん、素晴らしかったかどうか、イマイチ、迷うとこですが、結構、『あどべんちゃー』気分でした。3時間半のポーテージは、文句無く、キツかったです。
Posted by: たかしま | October 28, 2008 at 06:43 PM